Water Tightness 水密

サッシ、カ―テンウォ―ルの水密性は、風雨による雨水浸入を防ぐ上で大切な性能です.建物の立地条件や風雨の程度をふまえた適切な水密性の設定とサッシの選択が必要です.

1. サッシ、カ―テンウォ―ルの水密性とは

サッシの水密性とは、サッシが風雨にさらされた状態で面積1㎡当りどれくらいの風圧まで雨水の浸入を防げるかを表すものです.
JISA4706及びJISA4702により、風圧力に対応した圧力差別に等級と性能が規定されています. なおJISで定めた根拠として、過去の気象観測記録から強風と豪雨の同時発生頻度は極めて少ない事から、水密性の圧力は耐風圧性よりも低くおさえられてます.
JISA1517の試験方法では、1分間当り4L/㎡の水を噴霧し脈動圧を10分間加えて雨水浸入の観察をします.これは240mm/hに相当する激しい雨と同時に風速を加え、風が吹き荒れている状況でも室内へ漏水しないという水準です. 過去最大級の被害があった長崎集中豪雨(昭和57年)※1でも降雨量は187mm/hであった事から、JISによる水密性能試験は過酷な条件であることがわかります. 台風等の強風雨時や長雨時に加えここ数年の局地的な大雨による室内側へ漏水というトラブルに対応するものです.
※「JASS14カ―テンウォ―ル工事」では、JISA1414(建築用構成材(パネル)及びその構造部分の性能試験方法) に準じて行うとありますが、圧力差ステップは区分されているが水密グレードの設定は無く、性能値は特記により可動部とその他の一般的な部分おのおのに対して定めています.

2. 水密構造

降雨水が建物の壁面を通り抜けて室内に浸入してくるには、以下の3条件が必要です.

a)水が存在すること(水)
b)壁に水が通り抜ける隙間があること(隙間)
c)水に移動させる力が作用すること(移動力)

この3条件が同時に満たされない限り、水は建物内に浸入することはできません。即ち、どれか1つの条件を積極的に取除ければ、雨水の浸入を防止することができます.
雨水浸入の要因は(表-1のA~F)に大別され、水密性を必要とされる設計に当たっては、各々の対策を検討することが必要です.

※1 出典:「災害教訓の継承に関する専門調査会 1982 長崎豪雨災害」平成17年3月内閣府報告書

3. 水密接合工法

水密接合工法は、水密機構や原理の違いによりシ―リング材で接合部目地の隙間を閉塞する「シールジョイント工法(図-1) 」と、接合部を外気圧と等圧にすることにより圧力差による雨水の浸入を制御する「等圧工法(図-2)」に大別できます.
シールジョイント工法は主にサッシやノックダウン工法のカ―テンウォ―ルに用いられ、等圧工法は中・高層カ―テンウォ―ルの接合部にユニット工法として用いられます.

4. 選定の目安

サッシの水密性の等級は、建物の地域性、立地条件、使用条件などから判断して建築設計者が設定します.使用場所による目安は(表-2)の通りです.一般的に木造用住宅サッシではW-3等級、ビル用サッシではW-4等級の設定が大半を占め、要求性能が高くてもW-5等級の設定で概ね満足できます.
サッシ水密性については次のような注意点があります.

  1. 各官庁及び各地方監督官庁の仕様としてサッシの性能を定めている場合がありますので確認が必要です.
  2. 風当たりが強い立地条件(超高層建築の谷間、崖縁、海岸縁など)ではより高い等級の設定が必要です.
  3. 暴風雨の多い地域では雨戸やシャッタ―などの併用を検討します.
  4. サッシ枠と仕上げ材及び躯体との取り合いは、水密性能保持のために確実なシール施工が必要です。建物仕様によっては二重シールの採用を検討します.

5. 等圧設計について

等圧工法における等圧設計とは、外部圧力Poと目地内部の等圧空間の圧力Paを近似値に等圧にすることで、水を移動させる力の一つである圧力差を低減させて雨水が室内への浸入することを防止する設計法です(図-2).
安定した水密性と耐久性・メンテナンス性の高さから、主に大規模建築物のカーテンウォールに採用されています.

表 -1:雨水浸入の要因と対策 図-1:シールジョイント工法のディテールと要素 図-2:等圧工法のディテールと要素 表-2:等級選択の目安