



室内空間の快適性と空調効率を左右する建物の断熱性は、省エネによる経済/環境の視点から近年特に重視されている要素です.中でも窓まわりは冬期の熱逃げや夏期の熱侵入の最も大きな割合を占めています.
2003年4月に施行された省エネ法改正では、住宅を除く2000m²以上の新築・増改築建築物について、「省エネ措置=計画」を届け出ることが義務になりました.改正の目的は、わが国がCOP3における京都議定書遵守を目指すうえで、エネルギー消費が著しいオフィスビル等のエネルギー管理の強化、建築段階での適切な省エネ措置の実施、国によるエネルギー使用状況の適切な把握と対策を講じるしくみづくりにあり、建物の断熱化が官民を上げての取り組みとなっています.
建物の断熱性は、帳壁等の材料が熱移動をどれほど抑えるかを基準とした等級で表されます.冷・暖房の熱は、外気との間にある窓やドア、壁、天井を通し、対流、ふく射、伝導作用によって常に移動します.一般建築物の単位面積当たりの熱移動比較では、窓が大きなウエイトを占めます.そのため、快適性や省エネルギー効果を高める上で、窓まわりの断熱性は最も重要な要素となります.
●断熱性は熱貫流抵抗(R値)を基準とした等級で表します(表-1).
熱貫流率(K値)は、帳壁内外の空気の温度差が1℃のとき、壁体を通して1m²当たり1秒間に流れる熱量を示すもので、単位はW/(m²・k)で表されます.計算式は表-2下に示しています.
サッシの断熱性は、建物の地域性・立地条件・居住環境等をもとに選定することになります.
選定の目安としては、「省エネ法」「品確法」に規定または推奨された開口部の断熱基準等があります.この2つの法で規定または推奨された断熱性能は表示法が異なりますが、近似のグループに分けられます(表-2).
住宅における建築主の選択判断基準(次世代省エネルギー基準:平成11年通商産業省・建設省告示第2号)では、従来の仕様規定から性能規定への移行に向けた内容となり、性能を満たすことを第一義としています.
性能表示単位も新たに見直されており、注意を要します.また、性能規定への過渡期でもあり、これまでの仕様規定に準ずる形式での表記も示され、性能規定または仕様規定のいずれかを選択することができます.住宅金融公庫では、平成4年告示の「新省エネルギー基準」適合の住宅については「省エネルギー住宅/一般型」として割増融資の対象に規定しています.さらに、平成11年の告示となる「次世代省エネルギー基準」に適合する住宅については「省エネルギー住宅/次世代型」として割増融資が増額されます.
開口部の断熱性を高めるには、高断熱サッシの使用、ガラスの断熱性を高める、などの方法があります.
●サッシの断熱性を高めるには
断熱サッシの使用のほか、サッシの室内側または室外側に空気層を設ける方法などがあります.
| アルミサッシ |
|---|
| 複層ガラス入りの最も一般的なサッシ |
| アルミ熱遮断構造サッシ(サッシの外部と内部を分離結合させる構造) |
| アルミサッシ内部の接合部に、 熱を遮断するための樹脂などを挟み込んだサッシ |
| アルミ樹脂複合サッシ(材質がアルミニウム+樹脂を組み合わせた構造) |
| 室外側はアルミ製、室内側は樹脂製による特殊な構造で 断熱性能を高めるサッシ |
| プラスチック製サッシ |
| 樹脂の熱伝導率の低さを活かした、高断熱性が得られるサッシ |
| 木製サッシ |
| 熱伝導率が小さく高断熱性が得られるサッシ |
| 例/室内側 |
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| カーテン・ブラインド・障子など |
| 例/室外側 |
| 雨戸・シャッターなど |
●板ガラスの断熱性を高めるには
用途に合わせて断熱性の高いガラスを使用することがポイントです.複層ガラスや熱線吸収ガラスなどがありますが、詳細については、「ガラス」でご案内しています.断熱性能選択上の注意事項としては、以下のものがあげられます.