Airtight 気密

建築物にとっての気密性は.省エネ対応とともに、建築基準法改正にともなう計画換気を行う上でも重要な性能のひとつです.このため、開口部の気密性は躯体外皮の断熱性とともに、従来以上に配慮が求められます.

1. 建築基準法改正と気密性

    サッシおよびドア等の開口部の気密性は、面積1㎡当たり1時間にどれぐらい空気が漏れるかを基準とした等級線で表されます.JIS A 4706-2000・JIS A 4702-2000では、サッシ・ドアについて、気密性能を4等級に分けて規定しています(図-1, 表-1).
    高気密化は次のような居住環境をもたらします.

  1. 冷暖房ロスを減らし、省エネルギー効果を高める.
  2. 内・外部騒音への遮音性能が向上し、静かな環境が得られる.
  3. 外部からの塵埃や粉雪の吹き込みを抑える.

以上に加え、建築基準法改正による「住宅・店舗・ホテル等の新築建物における換気設備の設置義務…2003年7月施行」にともない、高気密化の重要性がさらに高くなりました.

この建築基準法改正は、シックハウス対策を目的とするもので、すべての居住空間を対象に24時間換気を行うことを規定しています.これは、断熱・気密性能と相矛盾するものではなく、以下のような関係性を持ちます.

  1. エネルギー消費量を正確に見積もる.
    気密性が悪く躯体や開口部の隙間から生じる熱損失量が大きいと、必要エネルギー消費量の正確な算定が不可能になります.
  2. 計画換気を確立する.
    室内空気清浄化に必要な24時間の計画換気は、換気経路が確立できるようにし、屋内の空気流量も一定に保つ必要があり、それには換気口以外の部分の気密性が重要になります.計画換気を行い省エネ性能を保証するにはサッシの高気密化も要点です.

  3. 2. 選定の目安

    サッシ・ドアの気密性は、求められる居住環境によって選定されます.近年、国が指導している住宅の気密化の流れを見ると、次世代省エネルギー基準レベルは新省エネルギー基準の基準値よりも高い設定になっています.また、欧米先進国では、計画換気を含む省エネ性能向上への取り組みの歴史があり、厳しい気密性基準が設定されています.次世代省エネルギー基準はこの欧米のレベルに近づいたものであり、今後のサッシ・ドア選定上の目安となります.
    近年のマンションなどは、防音サッシが使用され、超高気密環境になっています.また、戸建住宅でも、躯体精度が上がったことから気密性が高くなっており、シックハウスや、酸欠、結露による被害も多発しています.こうしたことから、24時間換気設備に加えて、中間期や日中の自然換気を行う換気小窓の設置を考慮することが重要になっています.

図-1:気密等級線表-2:気密性等級と性能選定の目安